院長からのご挨拶

院長からのごあいさつ

院長

 小諸高原病院のホームページにアクセスしていただき、ありがとうございます。令和2年4月1日付けで院長に就任しました村杉謙次です。

 現在の日本の精神科医療は、「入院医療中心から地域生活中心へ」という変革の真っ只中にあります。その潮流の中で、精神科病院に求められる役割も、「病院内で病状の改善を目指す医療」から「地域での生活を支える医療」へと変化してきています。一方で、標準的な治療によっても症状の改善が得られにくく、入院を必要とする難治性の患者さんへの対応も、国立病院機構に所属する当院の役割として求められています。
 当院には、急性期医療、重度心身障害者医療、認知症医療、医療観察法医療の専門病棟や、精神科および重度認知症デイケアがあり、多職種からなる職員一同、患者さんを中心とした水平型チーム医療の実践を心がけています。難治性の統合失調症患者さんに対するクロザピン治療も行うと共に、うつ病患者さんに対する認知行動療法や復職支援プログラム、各種疾患に対する心理教育、ノンアルコールプログラム、WRAP(元気回復行動プラン)、当事者研究、オープンダイアローグ、ストレスケアステイ、家族教室等の心理社会的治療にも力を注いでおります。今後は精神科医療の変革の流れや時代の要請に応じ、訪問看護等のアウトリーチ支援やギャンブル・インターネットゲーム障害への対応、児童思春期医療の強化と整備に取り組んでまいります。
 長野県の精神科医療の中核病院として、地域に少しでも多く貢献できるようこころがけ、利用者や地域の関係者の皆様、そして職員に選ばれる病院を目指してまいりますので、今後ともご理解とご支援を賜りたく、お願い申し上げます。

小諸高原病院の理念

こころの病気や発達の障害に対して、患者さんの人権を尊重し、信頼される質の高い医療を提供します。

  1. 地域との潤った連携をはかり、国立病院機構全体からもつねに最新の情報を得て臨床に生かしていきます。
  2. 診療内容について患者さんやご家族の御指摘には、職場全体で耳を傾け、よりよい内容にしていくよう努力します。
  3. このような診療内容を充実させるために、必要な情報は公開し、外部からの御批判や評価をいただきながら、病院運営の健全化をはかります。

医療の基本姿勢

当院は国の政策医療のいったんである精神医療と重症心身障害児(者)医療を担っています。
地域市町村、県と協調しながら、モデル的な精神・重心医療をめざしています。
まず精神科については、精神科救急や急性期に対応できる治療体勢と環境整備につとめています。

安心できるパーソナルスペースの保証、病初期のもっとも合理的な薬物療法と、心理・社会的なかかわりをめざしています。
安定期に入った方には主治医・看護師のみならず、精神保健福祉士・作業療法士・心理士・音楽療法士・薬剤師・栄養士などのコメディカルの方々がかかわり、退院後の生活についてを患者さんや御家族といっしょに考えていきます。
事情で長期在院になった方々については、お一人おひとりの実情に合わせて自立にむけて行政機関と連携しながら支援します。
治療抵抗性の強い難治例については、その根拠や新たな薬物療法と心理社会的かかわりの新たな可能性を、実証的研究にもとづいて考えていきます。

医療観察法にもとづく入(通)院医療機関の指定をうけて、心の病と犯罪という二重の負の部分に、もっとも合理的な治療的かかわりと、深い人間理解を追求します。
重症心身障害児(者)医療でも精神医療同様、安心できるパーソナルスペースと、さまざまな職種の人々による庇護とQOL(日常生活の質)向上のためのアプローチが必要です。

医師・看護師のほかに療育指導員、保育士・栄養士・作業療法士の役割が重要になります。
めぐまれた自然環境を生かし、人の心身全体の領域にかかわる技術やセンスを重んじます。
治療をうける方々のみならず、外部の方々からの御指摘や御批判にも真摯に耳を傾け、すこしでも良い医療をと考えています。



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